前回まででオフライン端末へのインストールとエミュレータの起動確認まで実施した。
今回はオフライン端末でプロジェクトの実行が出来るところまでを確認する。
事前準備
Android Studioはパッケージ管理ツールとしてGradleを採用している。オフライン端末ではインターネットからパッケージを取得できないので、オンライン端末でパッケージを取得してオフライン端末へ移動する手順が必要となる(Gradleキャッシュの移動)。
Gradleキャッシュのデフォルトの配置場所が「%USERPROFILE%\.gradle」となっているようなので分かりやすい位置に移動する(参考)。
以下の手順をオンライン端末、オフライン端末ともに実施する。
- Win + Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開き、名前欄に「sysdm.cpl」と入力して[OK]ボタンを押下する。

- 「システムのプロパティ」が開くので詳細設定タブの[環境変数]ボタンを押下する。

- 「環境変数」からユーザー環境変数の[新規]ボタンを押下する。

- 新しいユーザー変数を以下の内容で設定し、[OK]ボタンを押下する。
変数名:GRADLE_USER_HOME
変数値:Android SDKなどを配置したフォルダ\.gradle
- 「環境変数」と「システムのプロパティ」画面を[OK]ボタンで閉じる。
プロジェクト作成(オンライン端末)
- オンライン端末上のAndroid Studioを起動し、Projectの[New Project]を押下する。

- New Project画面で作成するアプリのテンプレートを選択して[Finish]ボタンを押下。今回はEmpty Activityを選択した。

- プロジェクトの設定を変更して[Finish]ボタンを押下。今回はプロジェクトの保存先を「Android SDKなどを配置したフォルダ\workspace」とした。

- Gradleで各種ライブラリのダウンロードが完了次第、試しにプロジェクトを実行してみる。

- うまく実行できていたので実行を停止し、Android Studioを終了する。
- Gradleキャッシュフォルダとプロジェクトフォルダをオフライン端末に渡すため圧縮する(プロジェクトフォルダは1階層上のworkspaceフォルダから圧縮した)。
android/|-- .gradle|-- android-sdk|-- android-studio-2024.2.2.13|-- workspace+|-- .gradle.zip+|-- workspace.zip
プロジェクトのインポート(オフライン端末)
- 圧縮したGradleキャッシュフォルダとプロジェクトフォルダをオフライン端末のandroidフォルダに渡し展開する。
- 展開したプロジェクトフォルダ内の「local.properties」ファイルを削除する。
android/|-- .gradle|-- android-sdk|-- android-studio-2024.2.2.13|-- workspace| |-- MyApplication| |-- ・・・-| |-- local.properties - Android Studioを起動し、ProjectsのOpenを押下する。

- オンライン端末から持ってきたプロジェクトを選択し、[OK]ボタンを押下する。

- 信頼されたプロジェクトかの確認メッセージが出る。「Trust projects in パス」のチェックボックスにチェックを入れ、[Trust Project]ボタンを押下する。

- 読み込みが開始される。以下の注意メッセージが表示されるが、「.gradle/config.properties」は読み込み完了時に書き換わるため無視しておく。

- 読み込み中にGradleの設定を開き、オフラインモードに切り替えておく。

- 読み込みが完了次第、試しにプロジェクトを実行してみるがビルドエラーとなった。どうやらAndroid SDK Build Toolが35.0.0が無いらしい。

- SDK Managerからオフライン端末とオンライン端末のビルドツールを見比べたとろ、オンライン端末にのみ35.0.0があった。
オンライン端末で実行した際にダウンロードされた可能性があるので、Android SDKを再度オンライン端末からオフライン端末に移す(上書きする)。※Android Studioはどちらの端末も終了してから作業する。
[オフライン端末]
[オンライン端末]
- 再度オフライン端末のAndroid Studioを再度起動して実行してみた。→実行できた。

とりあえず動作したのでこれで完了とする。
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